今までバイクの防寒対策は使い捨てカイロか電熱ヒーターしか知らず、選択肢が少なかった。
使い捨てカイロはバイクの走行風で冷えて使い物にならなくなる。
電熱ヒーターは価格が高く、ワンシーズンのためだけに手を出しにくい。
せめてバイクの走行風に負けないカイロがあったら…
ハクキンカイロならリーズナブルでしかもバイクの走行風に負けない。
目次
ハクキンカイロとは?
1923年に発明されたハクキンカイロは長時間、さらに極寒の中でも機能することから、現在でも絶大な人気を博している商品です。
ハクキンカイロは、気化したベンジンがプラチナを触媒として、炭酸ガスと水に分解する酸化熱を利用しています。
使い捨てカイロと原理は似ていますが、ハクキンカイロは13倍の発熱量があり非常に暖かくなります。
発明された当初、軍隊に中心に使用され、軍用トラックのエンジン予熱などに使っていたそうです。
そして現在では「使い捨てない」という点がエコとして注目されています。
ドラッグストアで2,500円前後で販売されていることが多いです。
バイクの防寒対策として十分に使える性能
結論から言うとハクキンカイロは真冬のツーリングにも耐えうるほどの性能を持っています。
その理由は3つ
- 50℃以上と高い発熱温度
- 最大24時間の持続時間
- 触媒反応の止まりにくさ
特筆したいのが3つ目の「触媒反応の止まりにくさ」です。
使い捨てカイロだとバイクの走行風で冷めてしまい、なかなか温まりません。
一方、ハクキンカイロは発熱量の多さと触媒の違いによって、走行風で冷めにくいので真冬のツーリングにも十分使えると言うわけです。
ただし複数個を使うのが前提
発熱量が十分とはいっても、ハクキンカイロは手のひらに乗るサイズ。
このサイズでは体の部位ひとつ温めるので精一杯です。
首や腰を温められれば十分という人は、それに越したことはありません。
ですが、多くの人は全身を温めるためには複数個、必要になります。
理想は手足に1つずつ(合計4つ)、そして腰に1つ。
ここまでやれば確実とは思いますが、自分が必要だと思う箇所だけで大丈夫です。
ハクキンカイロの良いところ
- 使い捨てカイロの約13倍の熱量
- 最大約24時間の持続時間
- 何年も使える
- 普段使いもできる
ハクキンカイロの悪いところ
- 温度調節しにくい
- 使うまでが面倒
- 荷物が増える
一番ネックなのが、使うまでの工程数が多いことですかね。
また出先で補充したり、再点火するにはオイルやライターを携帯する必要があります。
ハクキンカイロの使い方
用意するもの
- オイル(ベンジン、ZIPPOオイル)
- ライター
- ハクキンカイロと付属計量カップ
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1計量カップで給油
付属してくる、ピンク色の計量カップを使って給油します。
計量カップには目盛があり、1つ目で6時間、2つ目で12時間です。
もちろん計量カップがなくても給油はできますが、時間調整や入れすぎないためにも使う方が無難です。
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2触媒を加熱する
マッチやライターで触媒を加熱するのですが、触媒に火を当てすぎないよう注意しましょう。
触媒部分に火を当てすぎると、触媒部分の寿命が短くなってしまうのです。
反応し始める温度は110℃前後なので、加熱は2〜3秒ほどにしましょう。
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3キャップをしてカバーに入れ温度調整
反応していれば水蒸気が出るので、キャップを近づけると曇ります。
しっかり反応していることを確認できたら、キャップをしてカバーに入れて温度調節しましょう。
使い方の一連を動画にしてありますので、合わせてご覧ください!
途中で反応を止めたい時は?
小さめのZIPロックやブリーザーパックに入れておくと、酸欠になって反応が止まります。
触媒部分を外す方法もありますが、手で触ると火傷するためオススメしません。
ハクキンカイロを使うときの注意点
用法を守って正しく使えば、事故の可能性は限りなく低いです。
調べたところ、実はハクキンカイロによる国内の事故というのは1件しかないようです。
ハクキンカイロに点火しようとしたところ、こぼれたベンジンに引火したようです。
ですが、怪我をしないためにも以下の3点に注意しましょう。
- オイルの量を守る
- 給油するときは火気に気をつける
- 低温やけどに気をつける
オイルの量を守る
指定されたオイル量を大きく超えると、中のオイルに引火する危険があります。
長持ちさせたいからと言って、多く入れすぎないようにしましょう。
給油するときは火気に気をつける
ベンジンやZIPPOオイルは可燃性です。
火を近づければ簡単に引火してしまうので、気をつけましょう。
低温やけどに気をつける
使い捨てカイロや湯たんぽ同様、低温やけどしやすいので気をつけましょう。
電熱インナーとの比較
電熱インナー | ハクキンカイロ | |
用意の手間 | 少ない(電源ONだけ) | 多い(給油と点火) |
温度調整 | 簡単(ボタンクリック) | 難しい(カバーで対応) |
普段使い | できない | できる |
降りた時 | 使えない | 使える |
値段 | 高い | 安い |
電熱インナーとハクキンカイロの違いを、簡単に表にしてみました。
大きく違うのは、値段と降りた時に使えるかどうかの2つですね。
バイク用の電熱インナーは、車体から電源を取ってきているので、バイクから離れると使うことができません。
また電圧が12V必要なので、モバイルバッテリーからの給電もできません。
バイク用の電熱インナーを、バイクから離れて使いたいのであれば、工具用バッテリー12Vから電源を取るしかないですね。
値段については後述します
実際の手間はどちらも大差ない
上の表をみると、電熱インナーの方が手間が少なくて済むように見えます。
しかし、実際には電熱インナーはバイクの乗り降りのたびに、電源をONにしなければならないのです。
またインナー上下、グローブとなると4つの電源をONにしないといけないので、逆に手間ではないでしょうか。
その点、ハクキンカイロは点火する時だけですので、乗り降りをしても手間は増えないということから、手間の違いというのは大差ないかもしれません。
ハクキンカイロは電熱インナーと比べてコスパ良い?
ハクキンカイロは1つ2,500円程なので、導入コストは電熱インナーより遥かに安いです。
もしコミネの全身電熱インナーなら、何年使えばハクキンカイロのコストと同等になるのでしょうか?
仮に12月〜2月に毎週末ツーリングに行く、超寒がりのAさんを想定してみましょう。
電熱インナー | ハクキンカイロ | |
アイテム | 上下インナー、グローブ(コミネ) | ハクキンカイロ4個 |
導入コスト | 45,000円 | 8,000円 |
維持費 | 0円 | 820円(オイル+火口) |
ハクキンカイロの維持費としてオイル(1回20円×11日)と火口(1シーズン600円)を入れて計算します。
すると電熱インナーを5年使えば、ハクキンカイロとコストは同等になるわけです。
ですが、電熱インナーが5年も耐久性があるかと言われると未知数です。
故障するたびに買い替えになるので、コストが高く着きます。
コスパで選ぶなら断然にハクキンカイロですね。
あなたにはどちらがオススメ?
どちらを購入すればいいか迷っている人は「バイクを降りてから使いたいかどうか」で決めると良いでしょう。
【ハクキンカイロがオススメの人】
キャンツーなどのバイク以外のアクティビティをする人にはハクキンカイロが向いています。
冬のキャンプは、もはやカイロ無しでは辛いでしょう。
もちろん、コスパ重視でハクキンカイロを選ぶのもアリですよ!
【電熱インナーがオススメの人】
ツーリングのみを楽しみたい人には電熱インナーがオススメです。
バイク用の電熱インナーは体全体を温めてくれるので、ツーリング中の快適さは最も良いです。
オススメのハクキンカイロ
ハクキンカイロ(正式名:プラチナ触媒型懐炉)の特許は既に期限が切れており、同等のクオリティの類似品が多く出回っています。
※ハクキンカイロは商品名です。
そこで、私がオススメするハクキンカイロ(プラチナ触媒型懐炉)を3つ紹介します!
ハクキンカイロ ミニ
ハクキンカイロ ミニは、グローブやブーツに忍ばせるくらいスリムなので、末端を温めるのに向いています!
スタンダードサイズが持続時間24時間ですが、こちらミニが持続時間18時間となります。
とはいうものの、たった4時間の差ですので普通に使う分には十分かと思います!
ZIPPOハンディウォーマー
ZIPPO版のハクキンカイロです。
持続時間は17.5時間で、実際にはミニとほぼ同等の持続時間です。
構造や仕組みはハクキンカイロと全く同じなので、暖かさに差はありません!
STRハンディウォーマー
こちらも構造や仕組みは同じなので、暖かさに差はありません。
持続時間は12時間と、ハクキンカイロ ミニと変わらないのですが、このSTRハンディウォーマーは替用の触媒が付属してきます。
値段的にはこちらが一番お得ですが、レビューによると当たり外れがあるようですのでご注意ください。
オイルもお忘れなく!
オイルがなければ使えませんので、合わせて買っておくと良いですよ!
これらは、どのカイロにも使えるオイルです!