ビッグオフやアドベンチャーバイクで林道をコケたとき、ひとりで起こすのは一苦労です。
そんなときに役に立つのが、リカバリツールです。
リカバリツールとは、バイクを起こすのを助けてくれるアイテムで、下の写真のようなものです。
このようなリカバリツールは、日本では馴染みありませんが、海外では一時期話題になっていました。
今回、2つのリカバリツールを見つけましたので、どちらを購入するか比較検討していきたいと思います。
リカバリツールの購入を検討されている方は、ぜひご参考にしてください。
目次
Moto Winch と Dirt Napperの概要
リカバリツールを探した中で王道そうな2つをピックアップしました。
- Moto winch
- Dirt Napper
どちらも棒についたウィンチを使って持ち上げる方法で起こすツールです。
大きな違いはあまりありませんが、それぞれのリカバリツールを簡単に紹介します。
Moto Winch
Moto wintchはEast boundから販売されているリカバリツールです。
型式はLC1500とLC2500の2つがあり、LC2500の方が重いバイクを持ち上げられます。
LC1500の価格は€204.49で、日本円にすると29,000円(1€=140円換算)程度です。
2つのスペックの違いを表にしましたが、基本的にはLC1500で十分なように見えます。
LC1500 | LC2500 | |
価格(€1=140円換算) | 約29,000円(€204.49) | 約30,000円(€215,38) |
本体の重量 | 約2kg弱 | 約2.4kg弱 |
持ち上げられる重さ | 約300kg(低重心なバイクに限る) 1000ccまでのバイクに適している |
300kg以上 1000cc以上の大型バイク |
収納サイズ | 25×15×5cm | 25×15×5cm |
※本体重量と収納サイズは、海外のレビュー記事などを参考にして算出しています。
LC2500の方がパイプの径が少し大きく作られており頑丈で、大型アドベンチャーに乗られている方やフルパニア仕様にしている方は、LC2500の方が安心です。
(参考までにフルパニアのR1250GSに乗っている人は、LC2500を選ぶのが主流なようです。)
ちなみに、収納袋にブレーキレバーロック機能が付いており、起こしている時にあらぬ方向にバイクが行ってしまうのを防げます。
Dirt Napper
Dirt NapperはKEITH PRODUCT COMPANYから販売されているリカバリツールです。
こちらは持ち上げる重さによるサイズ展開はなく、1種類のみです。
価格は$195で、日本円にすると約26,400円($1=135円換算)程度です。
Dirt Napper | |
本体の重量 | 1.9kg |
持ち上げられる重さ | 300kg以上 |
収納サイズ | 28×10×6cm |
※収納サイズは写真から概算しました。
Dirt Napperはレビューが非常に少なく、情報を収集するのにも一苦労します。
先述したように、サイズ展開はされていませんが、フルパニアのR1200GSAを持ち上げている動画があるため、重さ的な制約はないと見られます。
パーツ点数に関しては、見ての通り少なくMoto Winchよりも組み立てがラクそうです。
Moto Winch と Dirt Napperの違いは持ち上げるか吊り上げるか
では、Moto wintchとDirt Napperの違いは何かと言いますと、バイクを起こす時に力をかける位置が違います。
具体的には、Moto wintchが上から吊り上げる方式に対して、Dirt Napperは下から持ち上げる方式になっています。
以下の写真を見ていただくのが分かりやすいと思います。
Moto wintchはハンドルやエンジンガードにロープを括り付けて上から引っ張り上げる構造をしています。
一方で、Dirt Napperは車両の反対から下へロープを取り回し、下から持ち上げる構造をしています。
下から持ち上げるタイプのDirt Napperの方が、安定して起こすことができそうですね。
地味にウィンチを引く方向が違う
実は、この2つのリカバリツールの違いは、ウィンチの引く方向もあります。
Moto wintchは下から上に引き上げるため、動画で見ていても結構力が必要そうに見えます。
一方でDirt Napperは上から押すので、非常に大きなバイクでも軽い力で起こすことができます。
結論:Moto Winchの方がデメリットがなくて良さそう
結論から申し上げますと、Moto Winchの方が良さそうに感じています。
その理由として挙げられるのが、デメリットの少なさが挙げられます。
一見、Dirt Napperの方が、「組み立てやすい」「軽い力で起こせる」「重いバイクを持ち上げられる」「安い」などとメリットが多いように見えます。
ですが、予想できるデメリットも多く、「バイクの下に通すためロープがエキゾーストパイプに触れて溶けそう」「地形によってはバイクの下に隙間がなくロープを通すことができない」「Dirt Napper本体がシートに擦れて破れる(実際にあるようです)※」などが挙げられます。
Moto Winchの場合、上記のようなメリットはありませんが、デメリットもありません。
メリットとデメリットを表にしてみました。
Moto Winch | Dirt Napper | |
価格 | 高い | 安い |
組み立てやすさ | パーツ点数が多いので組み立てに時間がかかる | パーツ点数が少なく組み立てやすい |
持ち上げる重量 | 重いバイクはLC2500を選ぶ必要あり | 特に制限なし |
ロープが溶ける心配 | なし | あり |
地形による制約 | なし | あり |
本体干渉によるシート破れ | なし | あり※ |
※収納袋を本体とシートに挟むことで、シート破れ対策ができるようにはなっています。
- ロープが溶ける心配
- 地形による制約
- 本体干渉によるシート破れ
この3つのデメリットに比べれば、パーツ点数などのデメリットは些細なものですので、Moto Winchの方が安心して使えるというわけです。
車種によってはDirt Napperの方が良いこともある
先述の3つのデメリットを回避できる車種であれば、Dirt Napperの方が良いこともあるでしょう。
- ロープが溶ける心配は、アンガーガードが装着されていれば回避可能
- クラッシュバーなどが装着されており、一定の隙間が確保できれば地形による制約を回避可能
- 本体干渉によるシート破れは、収納袋を挟むことで対策が可能
このように、デメリットを回避できれば、「組み立てがしやすい」「軽い力で起こせる」というメリットの方が大きいため、Dirt Napperの方が非常に優れています。
まとめ
結論としては、多くの車種で安心して使えるMoto Winchを購入しようと私は検討しています。
ですが、デメリットを回避できるのであれば、Dirt Napperの方が非常に優秀です。
ちなみに、どちらのリカバリツールもMoto Stromなどの海外通販ショップで購入することはできず、公式ページからの購入になるのでご注意ください。
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