はじめに
結論から言ってしまうとバイクや車のカスタムは法律的にも犯罪ではありません。
この記事は"カスタムすることが犯罪である"と助長するものや"不安を煽るような内容"ではないのでご安心ください。
頭文字Dやばくおん!!などを見ていて、ふと疑問に思ったことがありました。
さらにそのデザインが著作権法で保護されていたとするなら、無断で編集や改変を加えることが禁止されている著作人格権が適応されるはずです。
でも私も含め普通にカスタムしていますし、皆さんもそれで裁判沙汰になったことはないはずです。(違法改造を除いて)
それで気になって調べてみたのですが、どうやら車やバイクのデザインは著作権で保護されているわけでは無いようでした。
目次
バイクや車のデザインは著作権ではなく意匠法
車やバイクのデザインは著作権ではなく、商品や工業製品など実用品に属する意匠法というものが適応されます。
Yahoo!知恵袋に非常に分かりやすく丁寧に解説していた方がいたので、ここで紹介させていただきます。
Q:車のデザインって著作権??見たいな物はあるのでしょうか?
A:実はあります。
それは、「意匠法」という法律です。
例えば、気に入った図柄が出来た時、自分で何かのデザインが出来た時、それが自ら創作したもので、他の作品の真似
出来ない時は、『意匠、著作といった考え』でその保護が考えられます。意匠というのは、「物品の形状、模様、もしくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」
(意匠法2条)と定義されるもので、一般に商品や、実用品などに用いられるデザインといわれるものです。従って、美術品や、高度な工芸品などとは、異なる扱いになります。
建築デザイン、車のデザイン、機械のデザイン、櫛のデザイン、ぬいぐるみのデザインなど多岐にわたるものがあります。
こうしたデザインを、特に保護するものとして、『意匠法』というものがあり、意匠登録制度があります。
既に知られてものであったり、すでに創作者がいるものは出来ません。
しかし、まったく新たにデザインしたものであれば、出願できます。
ただし、これに対しては、特許と同様の審査があり、専門の審査官が申請を拒絶するかどうかを審査します。意匠の具体例としては、キャラクター商品のスヌーピーのぬいぐるみ(東京地裁昭和58年6月3日判決)、パンチパーマ用の
櫛(大阪地裁昭和59年12月20日判決)など、身の回りのものが多く含まれています。しかし、一般的なもの、普及しているものの形やデザインは「新規性」がないので登録できません。
またこの権利は、著作権とは異なり、自然に発生するものではなく、必ず登録する事が必要です。
なお、意匠権は、設定の登録により発生するとされ(意匠法第20条)、いったん登録されると15年間権利があるとされます
(同法第21条)。引用:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q109081565
簡単にまとめると
- バイクや車は作品(著作物)ではなく工業用品に分類される
- 著作権法ではなく意匠法で保護されるが申請が必要で審査もある
ちなみに著作権が適応されるものは「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されていますので、いくらデザイン性が優れていたとしても家電製品や文房具、日用品なども適応範囲外ということになります。
イラストやカスタムは合法
ということなので著作権法は適応されないので、実在する車やバイクをイラストや漫画で描いたりするのはOKということになります。
著作権がないということは著作人格権もないので、改変やカスタムも大丈夫ということですね。
もちろん例外もある
どこにでも例外というものはあって、意匠法も例外があります。
日用品や工業品であっても美的創作性を備えた工芸品であれば、例外的に美術の著作物として著作権法の保護を認めるということになっています。
意匠法を侵害するとどうなる?
意匠法を侵害するとどうなってしまうのでしょうか。
結論としては非常に簡単で、裁判などで損害賠償請求をされます。
カスタムで他のバイクや車に似せるのは危ないかも…
意匠法の条文を読んでみて、ちょっと気になったことがありました。
意匠登録されたバイクや車のデザインに、偶然的に似た場合でも効力の範囲内となります。
もちろん趣味の範囲であるか商用利用であるかが審議されるとは思いますが、他のバイクのデザインに似せてカスタムするのはちょっと危ないです。
商用利用であるなら確実にアウトかもしれません。
なので、もしカスタムパーツなどを制作して販売するなら他のバイクに似ないようにする必要はありそうですね。
独創的であるなら全く大丈夫です。
バイクや車だけでなくパーツも意匠登録されている
まず製品化されている車やバイクは、ほぼ意匠登録されていると思ってください。
さらにパーツなどにも意匠登録されています。
ヘッドライトやカウル、エンジン、タイヤ、マフラーなどなど…
マフラーで有名なヨシムラのホームページでは意匠登録についてのページを作成していて、デザインを無断で使用することを禁止する注意喚起しています。
つまりどういうことかというと、デザインを似せたパーツの制作も危ないということです。
ここら辺については、詳しい方にお話しを聞きたいと思いますので、続報がありましたらしっかりとお知らせします。
どんなものが意匠登録されているか気になる人は、特許情報プラットフォームJ-Plat-Patから検索できます。
でもやっぱりノーマルで乗って欲しいのが制作者の本音
カスタムパーツは沢山出回ってはいますが、やっぱりノーマルで乗ってもらいたいのが制作者の本当の気持ちなのではないでしょうか。
例えばカスタムだけでなく、名称(呼び名)についてCBR250RR mc51を「ダブルアール」ではなく「アールアール」と呼んで欲しいとホンダさんがおっしゃっています。
私も作曲家で創作物を作る側の人間なので、気持ちがよく分かります。
長くても、せめて名称だけでも正しい読み方で呼んであげることが制作者やバイクへのリスペクトなんじゃないかな、と私は思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
長々と書いてきましたが、重要なのはバイクの車のカスタムは合法であるということです。
少し難しい話でしたが、販売されているパーツなどを使ってカスタムするのは全く問題ないのでご安心ください!
一般人にはあまり関係ない話ではありますが、パーツやバイク、車の制作する人は意匠法について気をつけておくべきですね。