2020年5月にモトストームで注文したGIVI新作トレッカーシリーズALASKA36がやっと届きました。
例のウィルスのせいで届くまでに2ヶ月以上もかかりました。
海外のネットやブログにもほぼ情報がなく、おそらく日本では最速レビューとなります。
AKASKAのロックシステムや汎用性の高さに一目惚れして、購入に至りました。
とりあえず丸1日触ったり分解したりして、わかったことやALASKAの魅力について解説していきます!
目次
トレッカーALASKA36
トレッカーALASKAの特徴
- 取り付け方式はモノキーを採用
- 着脱が簡単なワイヤリリースシステム
- 脱落とシートバッグの干渉を防ぐホールドITシステム
取り付け方式はモノキー
これまで全体がアルミで作られたサイドケースはGIVIのトレッカーシリーズのOUTBAGとDOLOMITIのみでした。
この二つのアルミケースの独自の取り付け方式はとなっており、汎用ステーなどには取り付けられないのがデメリットでした。
DOLOMITIはロック部分をサンダーで削り落とせば取り付けが可能なのですが、蓋を開けなければ取り外せないのでかなり面倒くさいです。
一方、ALASKAは取り付け方式にモノキー(PL,PLR,PLO,PLOR)を採用しているため、汎用ステーが加工なしで使えます。
さらに蓋を開けなくても取り外すことができるようになっていますので、サイドケースとしての性能は完璧です。
ワイヤリリースシステムで下のつまみをクルッと回すと簡単に外せます。
ちなみに英語名は"WIRELEASS"でWireとReleassを掛けています。お洒落
目玉の機能はホールドITシステム
このALASKAの目玉の機能と言っても過言ではない「ホールドITシステム」は不意にサイドケースが脱落しないようにするシステムです。
副産物として上の写真のように、斜めの状態を保つことができるのでスムーズにケース内にアクセスできます。
シートバッグを併用しているとき、シートバッグで蓋を塞いでしまうことを回避できるということです。
おそらく本来の目的は後者でしょう。
GIVIはある時からシートバッグとサイドケースの併用を想定して蓋が外せる機構などをつけています。
レビューなどでも蓋が開けられないというのをよく見ましたし、きっと要望が多かったんじゃないかなと思います。
容量は片側36ℓ
高さ374mm × 奥行き260mm × 長さ562mmなので大抵のソロテントが入ります。
ソロにしては大きめのテントのステイシーST2を入れてもまだ半分空いています。
ちなみにE22がすっぽり入るのでサイズ感の参考までにどうぞ。
使ってみた感想
良いところ
【縦持ちは意外に便利だった】
普通の人なら箱は蓋を上にして持ち運びたいはずです。
しかし、このALASKAは箱の横に取手がついていて縦持ちになります。
ちょっとイマイチな〜っと私も思っていたのですが、実際使ってみると縦持ちの方が幅が小さくなるので狭い通路も運べます。
重心も低くなるので、思ったより持ち運びは楽でした。
【デッドスペースが全くない】
このALASKAを購入するまではE22を使用していたのですが、E22はデッドスペースが多くあまり入れられない印象でした。
しかしALASKAはデッドスペースが全くないので36ℓをフルで使うことができます。
ちなみにE22を2つ使って入れていたキャンプ用具はALASKAの片方で収まってしました。
私の期待以上の収納能力を見せてくれました。
単純に考えればE22の収納能力の4倍ということになりますね。
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もう片方にはテントやコット、寝袋などを入れてもまだまだ余裕があります。
お土産のための空きスペースにとっておくも良しです。
【リペアの融通が効きやすい】
購入前にどうしても気になっていた点が一つあり、ワイヤが切れたり伸びたりしたら修理が大変そうだと考えていました。
ところが解説書を読んでいると、どうやらワイヤーの張り調整や交換もできるらしいです。(解説書がイタリア語なのであまり読めない)
そこで分解をしてみると、ワイヤの張り調整は滑車の位置をずらすことでできるようになっていました。
もちろんワイヤも取り外すことが可能で、樹脂製のカバーを外すことで全ての機構にアクセスできるようになっています。
ただ組み立てにはちょっと苦戦しました。
悪いところ
【汎用ステーにはポン付けできなかった】
私の汎用ステーはいわゆるハズレの個体なので「きっとすんなりつかないんだろうなー」と思っていたらやっぱり付きませんでした。
原因はロック部分の長さが足りないことです。
試行錯誤をして分かりましたが、長さが足りないのではなくロック部分が下に向きすぎているため爪が入らない、入っても出すことができない状態になっていたみたいです。
溶接されたナットをサンダーなどで外し、ロック部分とステーの間にワッシャーを噛ませることで解消できそうです。
ということでまだ車体に取り付けられていないので、まだ走れていません。
【汎用ステーではホールドITシステムは使えない】
最大の目玉であるホールドITシステムが汎用ステーでは使うことができません。
というのも汎用ステーの固定金具と干渉してしまい、ホールドITシステムが機能しないのです。
汎用ステーの固定金具を削るのは強度的にも危ないので、ホールドITシステムの取り付け位置をもっと内側にすることで解消ができそうです。
【蓋が分離できない】
ケースの蓋部分は分離することができません。
私はそれほど気にならないですが、蓋は分離できた方が良いという人はオススメできません。
ですが加工することで蓋を分離することができそうです。
蓋とケースの接合部分は金属の棒が1本入っているだけなので、これを取ることで分離することができます。
しかしこの棒の先端が潰されて圧着されていますので、棒の先端を削り取り代わりにネジとボルトで締めると簡単に分離する機構ができそうな感じとなっています。
ALASKA取付のための汎用ステー加工を2つ紹介
汎用ステーにポン付できない原因
汎用ステーの上部のロック部分の爪が下に向きすぎているため、うまく噛み合わさらないのが原因です。
ということはこの爪の部分の角度を上に変えてあげることで、解消できそうです。
とはいえ、いくらインドネシア仕様だとしても精度悪すぎて本当に笑えませんよ、GIVIさん…
加工例① テーパーワッシャーを使う
テーパーワッシャーは本来、斜面に対してボルトやネジを垂直に打ちたいときなどに使うワッシャーです。
このテーパーワッシャーの斜面を使い、あえて平面に斜面を作ることでボルトで締めるとき角度をつけることができます。
この方法が最もスマートで確実ですが、このテーパーワッシャーは大きなホームセンターでも置いてあることがほとんどありません。
なので基本は通販で購入することになります。
1個600円もする高級品(?)もありますが、大きな力が掛かる部分ではないので安いのでも強度は十分です。
サイズはM6、全部で8個使うのでこちらがお得です。
私はネジなどの細かい部品は、ネットより現品を見て選びたい派なので今回は見送りました。
加工例② ロングボルトを使う
ロングボルトを使いステーの爪自体を外側に出すことで、ケース取り付け時に相対的に爪が上向きにする方法です。
私がこちらを選んだ理由は車体とケースのクリアランスに余裕ができること、まじでステーの精度がガバガバすぎるので調整のしやすさでこちらを選びました。
こちらは特に難しい作業はありませんので、お好みでやっていただければと思います。
爪側にもワッシャーとナットを入れた方がいいかとも思いましたが、根本でボルトは固定されているのでこちらが脱落してしまうことは無いでしょう。
見た目を気にする人は入れてください。
結論としては、こちらの加工方法で問題なく着脱は可能でした。
国内ではまだ販売されていない
残念ながら国内ではまだ販売されていませんので、海外輸入という形になります。
オフローダーやアドベンチャーなんかはお馴染みの、Motostormを使うと日本でも簡単に購入することができます。
オススメはMotostorm
なにせPAYPALでの支払いで、海外サイトなのに日本語対応なので難易度は非常に低いうえ価格がめちゃくちゃ安い。
日本で販売されているバイク用品でもMotostromを使うことで20〜30%ほど安く購入することができます。
さらに配送は海外郵送を専門にしたフェデックスなので、追跡も安心。
もちろん他の海外サイトでも購入はできますが、日本で輸入をするならMotostromが一番簡単で良いですよ。
海外輸入が面倒な人にはTRKシリーズという選択もある
海外輸入に手を出すのはちょっと怖いという人には国内で販売されているトレッカーTRKシリーズをオススメします。
アルミと樹脂を半々で作られており、そこそこ頑丈でモノキー方式を採用しています。
少々値段は張りますが、こちらも大容量で機能的にも十分で国内でも購入が可能です。
まとめ
おそらく、モノキー方式のフルアルミケースを期待していた人には「やっとか…」という感じですが、待っただけあり完成度は完璧です。
これからキャンツーでどんどん使って行きますので、わかったことがあったら情報共有します!
海外でも情報が全くないため、気になることがあったらお問い合わせやTwitterのリプライから質問してください。
汎用ステーの取り付け方法はこちらの記事をご参考にしてください。
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