※この記事はハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れることを推奨していません。
実は最近の車やバイクってハイオク仕様車でもレギュラーガソリンで問題なく走れてしまうので、ついついレギュラーでも良いんじゃないのかなって思っちゃいますよね。
ハイオクの値段はレギュラーに比べて10円ほど高いので、少しでも安くしたい気持ちはすごくわかります。
ですが、実はハイオク仕様車にレギュラーを入れる方がガソリン代が高くなるって知っていましたか?
「車やバイクが壊れて修理費が高くなるよ」っという人は大勢いますが、今回は修理の話ではなく燃費悪化によるガソリン代のお話です。
目次
ハイオク車にレギュラーを入れるとガソリン代が高くなる理由
結論から言ってしまうと、ハイオク仕様車にレギュラーを入れると燃費が悪化し給油回数が増えるのでガソリン代が高くなるわけです。
なぜレギュラーガソリンを入れると燃費が悪くなるのか、どれくらいガソリン代が高くついてしまうのかもしっかりと解説していきます。
ガソリンについて知らない人でも分かりやすいように、まずは噛み砕いて解説します。
燃費が落ちる理由
ハイオク仕様車にレギュラーを入れると、エンジンが発揮できるパワーや性能が落ちてしまいます。
パワーが落ちる理由は燃料の点火時期(タイミング)がずれてしまうからです。
最近の車やバイクなら搭載されているコンピューターでエンジンの調整を切り替えてくれるので動かなくなったり壊れたりする事はほぼありません。
パワーが落ちるという事は、車体を動かすために沢山エンジンを回さなければいけなくなり燃料をさらに消費するので、燃費が悪くなるという事です。
ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れると燃費は10%前後悪くなると言われています。
どれくらい高くつくのか
ではハイオク仕様車で燃費が17.5km/Lの車があったとしましょう。
レギュラーを入れた場合の燃費はその10%減の15.75km/Lということになります。
それぞれのガソリンで5000km走った時のガソリン消費量と金額を見ていきましょう。
レギュラーは130円、ハイオクは140円とします。
レギュラー(130円) | ハイオク(140円) | |
燃費 | 15.75km/L | 17.5km/L |
消費したガソリン | 317.4L | 285.7 |
ガソリン代 | 41,262円 | 39,998円 |
レギュラーガソリンを入れるとハイオクに比べて、1,264円高くなってしまいました。
これはハイオクを入れた時より大体3.1%もガソリン代が高くなる計算になります。
やっぱり、もっと気になるのはエンジンに負担がかかるうえ、最悪故障したら修理費が嵩みますから。(結局はコレ)
ハイオク仕様車にレギュラーを入れるのは緊急時のみにするべきですね。
【詳しい人向け】レギュラーとハイオクを混ぜて安くする
さてココからはちょっと詳しい人やもっと踏み込んで知りたい人向けになります。
レギュラー仕様の車両とハイオク仕様の車両の違いは、オクタン価のみとなります。
ガソリンのオクタン価(ここではRONを使用します)は自着火のしにくさを表し、高いほど自着火しにくくなります。
自着火しにくいほど異常燃焼が起こらないので、適切なタイミングで点火できるというわけですね。
日本のガソリンのオクタン価はレギュラーでは90RON前後、ハイオクでは100RONが流通していると言われています。
一方、海外(特にヨーロッパ圏)では95RON以上のガソリンをレギュラーガソリンとしているので、車両も95RONを基準にして作られているわけです。
海外と日本ではレギュラーガソリンの基準自体が違ってくるので、海外車には日本のレギュラーを入れることはできないわけです。
ここまではご存知の方も多いと思います。
そこで頭の切れる人は、
と思うかもしれませんね。
実はこれ正しいんです。
レギュラーとハイオクは混ぜてもOK!
「レギュラーとハイオクなんて混ざらないよ」
「そんなことしたら壊れる」
なんてよく言われていますが、これは誤りです。
工学博士で日本機械学会賞 論文賞を受賞している太田安彦氏は"内燃機関における自着火、ノッキング"などについて研究をしており、レギュラーとハイオクは混ぜて使っても問題ないことを自身の車(VW Vento)を使って証明しています。
参照:http://glanze.sakura.ne.jp/car_related.html
太田安彦氏によればそもそもガソリンのオクタン価は、オクタン価の違う2種類の燃料を掛け合わせた比によって決められていると言います。
そして、90RONのレギュラーと100RONのハイオクを半分ずつ混ぜることで、オクタン価ほぼ95RONのガソリンになることも記述しています。
限界はレギュラー3:ハイオク2
同じく太田安彦氏が「どれくらいの割合で混ぜれば問題ないのか」というのをちゃんと検証してくれています。
オクタン価が95RONの車両で実験をされています。
まずレギュラー半分、ハイオク半分は全く問題ないとのことです。
そしてレギュラーが3、ハイオク2の割合が限界割合としています。
トルクが無くなったり、電動ファンの異常が見られました。
なので常用するのであれば、それぞれ半分ずつということが良いようです。
でも対効果は薄い
…と言ってもレギュラーとハイオクを半分に入れたところで100円〜多くても300円程度しか安くならないため、手間賃を考えたら微妙です。
それに日本のハイオクは洗浄剤なども入っているため、ハイオク満タンで入れた方が安心なのには変わりないですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか!
ハイオク車にレギュラーを入れると逆にガソリン代が高くついてしまうということが、お分かりいただけましたでしょうか?
少しでも安く済ませたい気持ちはとても共感できますが、ハイオク指定の車やバイクにはハイオクを入れるのがやっぱりベストなんです。
そもそもガソリン代を安くしたいなら、車選びから気を使うべきだと私は思います。
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