私の得意ジャンルはオーケストラの作編曲で楽譜も多く書いてきています。
そのため楽譜制作ソフトもたくさん試してきました。
多くのソフトを試してきた中で、オーケストラを書くときに使いやすかった楽譜制作ソフトを4つ選びました!
オーケストラの楽譜制作ソフトを選ぶ参考にしてみてください!
目次
オーケストラに向いている楽譜制作ソフト4選
結論から言ってしまうと以下の4つのソフトが最も使いやすいです。
オススメの楽譜制作ソフト
- Muse Score3
- Finale
- Sibelius
- Notion6
有名どころの楽譜制作ソフトだらけですが、それぞれ長所や短所もあります。
オーケストラの中でもどんな作品に使いやすいかも合わせて紹介します。
その前にオーケストラを楽譜を書く上で、
最も重要なソフトの機能を少しお話しします。
オーケストラの楽譜を書く上で重要な機能
オーケストラを書く上で必ず考慮しなければいけないのが以下の項目です。
- パート譜の譜めくり
- スコアの休符のパートを隠す
- 小節線幅の調整
- 持ち替え楽器の移調設定
- 完成度(見た目の良さ)
オーケストラでの演奏経験がある人なら分かるかと思いますが、
スコアよりもパート譜の方をしっかりと作り込まなければいけません。
そのためパート譜の作成の機能が充実しているソフトの方が、オーケストラに向いていると言えますね。
これらの基準を満たした楽譜制作ソフトが先ほど紹介した4つというわけです。
それでは1つずつ楽譜制作ソフトにどんな特徴があるのか、
長所と短所をしっかり解説してきます!
Muse Score3
Muse score 3は誰もが通る道とも言える、完全無料の楽譜制作ソフトです。
無料なのに、できないことはほぼありません。
バージョン2までは「痒いところに手が届かない」何とも惜しい完成度でしたが、
バージョン3になってから格段に使いインターフェースになりました。
しかし、わかる人にはバレてしまうのがMuse Scoreです。
悲しいですが、音楽界隈ではMuse Scoreで譜面制作をしていると白い目を向けられることも多々あるのです。
Muse Scoreと分かってしまうのは、独特の黒玉の大きさと形が理由です。
もちろん突き詰めれば、有料の楽譜制作ソフトに劣らない(むしろ勝るときもある)くらい完成度の高い譜面を作ることができます。
使っているユーザーも多いため、トラブルがあっても調べるとたくさんの情報がネットにあります。
初心者はまずこのMuse Scoreから初めて見ると良いかもしれませんね!
【Muse Scoreの良いところ】
- 完全無料で使える。
- 調べればネットに情報が沢山ある。
【Muse Scoreの悪いところ】
- 業界で嫌がられる。
- 譜面の完成度は製作者の腕しだい。
Muse Scoreはこんな人にオススメ
Muse Scoreは楽譜制作初心者にオススメしたいですね。
何と言っても完全無料なのと情報の多さでまず迷うことはないでしょう。
Muse Scoreのオススメの使い方
作曲が本業ではない人で(演奏家など)楽譜制作ソフトを使い込むほどではない人向けです。
もしくは楽団などで譜面データを多くの人と共有して編集できるようにしたいのであれば、Muse Scoreが役立ちます。
Finale
Finale 26のアップデート版「Finale 26.2」のアップデータを公開!より快適になった新しいFinaleを、ぜひお試しください。
複数レイヤーに対するアーティキュレーションの配置がよりインテリジェントに。その他、様々なメンテナンスが施されています。
▽無償アップデータhttps://t.co/jkVfNhbmnq pic.twitter.com/cEX5sI5Jwm
— Finale 日本語版公式 (@finalemusic_jp) March 18, 2020
Finaleは吹奏楽やオーケストラのような一般的な編成だけでなく、
現代音楽など特殊な記譜をする楽譜まで作ることができます。
楽譜制作ソフトの中で最も自由度の高いと言っても過言ではありません。
その自由度の高さから、現代音楽の作編曲家がFinaleを愛用していることをよく見ます。
まずFinaleで書けない譜面はないと言っても良いでしょう。
しかし、自由度の高さと引き換えにメニューやインターフェースが使いにくいことは否めません。
それもそのはず、Finaleはアップデートを重ね、機能をただ肉付けし続けた状態なのです。
その膨大な機能の肉付けをし続けた結果、このややこしいインターフェースになったと言われています。
そのうえ不具合もかなり多く、アプリがよく落ちるのでデータが飛ぶことも何度もあります。
どんな超高スペックPCを使っても、なぜか動作がかなり重くなることが多いです。
【Finaleのいいところ】
- 自由度が高く、Finaleならどんな譜面でも再現できる。
- クラシックや現代音楽のジャンルに強い。
【Finaleの悪いところ】
- インターフェースが使いにくい
- 不具合が多い
Finaleはこんな人にオススメ
Finaleは現代曲や特殊な記譜がある楽譜を書きたい人にオススメです。
また、これからどんなジャンルを書きたいのか決まっていない人もいいですね!
Finaleのオススメの使い方
とにかく私の環境ではアプリが落ちやすい印象しかないため、最後の清書に使っています。
ざっくりとした譜面を、手書きや他ソフトで作りその清書すると比較的ストレスなく書き上げられます。
アプリが落ちるのが心配という人はMuse Scoreで楽譜を作り、Musix XMLからインポートするという方法もあります。
このように2つのソフトをうまく使うことで、それぞれの欠点を補うこともできますよ!
Sibelius
Finaleと並んで完成度の高い譜面が作れるソフトはSibeliusです。
Sibeliusには楽譜を作る作業を楽にしてくれる機能が沢山あり、オーケストラの楽譜を作る上でSibeliusほど優秀なソフトは他にありません。
- 譜めくりページ自動調整
- 小節幅自動調整
- マメ譜(キュー)自動挿入
本当にこれらの機能が優秀です。
何も設定をいじらなくても、勝手に完成度の高い楽譜になるのがSibeliusの特徴です。
もちろん自由度はかなり高く、Finaleの次ぐらいに高いと思われます。
特殊な記譜などは画像をインポートすることによって再現をすることができます。
かなり特殊な楽譜を作らない限りはSibelius1択ですね。
だた一つだけネックなのが値段です。
何とこのSibeliusの通常版が8万円からと、かなり高くなっています。
Finaleが5万円なので、その差額は3万円です。
3万円あったら他のソフトも試せますよ…
【Sibeliusの良いところ】
- 何も設定しなくても完成度の高い楽譜になる。
【Sibeliusの悪いところ】
- 値段が高い
Sibeliusはこんな人にオススメ
短い期間で複数のオーケストラ譜面を作らなければいけない人にオススメです。
オーケストラの大編成でパート譜の譜めくり調整やキュー符の挿入を一人でやるとなると、とんでもない時間が必要になります。
これらがソフト側で自動でやってくれることで、かなりの時間短縮になります。
「時は金なり」と言われるように、この機能だけでも8万円出す価値はあると私は断言できますね。
ちなみに学生割引ならSibeliusの最上位版が4万円で購入できます。
学割のFinaleと価格はほぼ一緒なので、どちらか迷っているならSibeliusをオススメします。
Sibeliusのオススメの使い方
Sibeliusは月額課金でも使うことができます。
月に1,000円程度なので、1年間でも12,000円でSibeliusが使うことができるわけです。
7年くらい使って、買い切り価格になるわけです。
2〜3年でアップグレードされるので、アップグレードする金額も含めれば月額課金で使う方が絶対にお得です。
学生は買い切り、それ以外は月額課金がオススメです!
Notion6
NotionはPreSonusから出ている比較的新しい楽譜制作ソフトです。
同じPreSonusから出ているDAWソフトのStudio Oneとの連携ができるのが特徴です。
FinaleとSibeliusと比べると、Notionの自由度はかなり低いです。
比較的新しいということもあって、機能も必要最低限であまり充実はしていません。
しかし、機能が必要最低限なのが逆にメリットになっていて、インターフェースが非常に見やすく直感的に操作することができます。
iOS用のアプリもあり、そちらでは手書き入力ができます。
パソコンが苦手という人にはとてもオススメですね。
Notion5までは楽譜のメモ程度くらいしか用途がなく、ぶっちゃけ使い物になりませんでした。
しかしNotion6になってから譜面の各調整が自分でできるようになったため、いっきに仕事でも使えるレベルになりました。
そして特筆すべきなのは、なんと言ってもその価格の安さです。
なんとNotion6は通常版のフルプライスでも13,000円とめちゃくちゃ安いんですよね。
そして学割やセール価格になると安くて6,000円で買うこともできます。
あと使っていて気に入っているのが、音源のクオリティが高いことです。
楽譜清書ソフトの付属音源は基本的にショボいのですが、Notionは違います。
今まで使ってきた楽譜制作ソフトの中でも、Notionはダントツに音源のクオリティが高いですね。
もちろん付属音源は無料ですのでご安心ください。
しかも動作が軽く、全くアプリが落ちないのも良いですね!
純粋にモチベが上がります。
【Notionの良いところ】
- 価格がめちゃくちゃ安い。
- 直感的でわかりやすいインターフェース。
- クオリティの高い付属音源。
- 軽くて、落ちない。(低スペックPCでもOK)
【Notionの悪いところ】
- 楽譜の調整は全て手動で行わなければいけない。
Notionはこんな人にオススメ
お金がない人ですね。
めちゃくちゃ価格が安いので。
手書き入力がかなり優秀なので、手書きで譜面を書きたい人にも良いです。
仕事では楽譜の提出と同時にサンプル音源を求めらることもよくあるので、
クオリティの高いサンプル音源を出してくれるNotionは割と依頼者から喜ばれます。
Notionのオススメの使い方
楽譜制作ソフトではあるのですが、作曲をアシストする機能が豊富なのでアイデアを書き残しておくのに非常に役立ちます。
iPadを併用すると効率が上がります。
まとめ
いかがでしたでしょうか!
あなたにピッタリな楽譜制作ソフトは見つかりましたか?
オススメの楽譜制作ソフト
- Muse Score3
- Finale
- Sibelius
- Notion6