雨の日のバイクは道路を走るのも危険ですし、保管も雨ざらしだと心配ですよね。
通勤・通学で雨の日もバイクに乗らなければならない人も多いかと思います。
私も5年間、毎日雨の日も雪も日もバイクに乗ってきました。
そこで私の実体験をもとにバイクの雨対策でするべきことをすべて解説していきます!
この記事を最後まで読んでいただければ、バイクの雨対策のすべてが分かるようになります!
目次
バイクの雨対策でするべきこと
バイクの雨対策といっても幅広いので「雨が降るまえ」「雨の日の走行」「雨が降ったあと」の3つに分けて解説していきます。
雨が降るまえの対処
- バイク用の雨具を用意する
- 日頃から天気予報を見ておく
- 乗らないのであればカバーをかける
- 乗らない決断をする
雨の日の走行で注意すべきこと
- 路面が滑りやすくなる
- 視界が悪くなる
- 風邪をひきやすい
- レイングローブの操作性が悪い
雨が降ったあとの対処
- 走行後はすぐにカバーをかけない
- 晴れたらカバーを外す
- チェーンオイルを刺す
- バイクを走らせる
これらの対処法に加えてバイクを雨ざらしにしにしてしまうとどうなるのかも併せて解説します。
雨が降るまえの対処
雨が降るまえにするべきことは4つあります。
- バイク用の雨具を用意する
- 日頃から天気予報を見ておく
- 乗らないのであればカバーをかける
- 乗らない決断をする
バイク用の雨合羽を用意しよう
自転車やバイクでは傘は挿せません。なので雨合羽を着ることになるのですが、バイクに乗るときはバイク用の雨合羽を着ることをオススメします。
普通の雨合羽ではバイクの走行風で至るところから雨が侵入してくるのです。
バイク用の雨合羽では、あらゆる侵入を防ぐために絞りが付いています。
併せて、正しく雨合羽を切れているか確認しましょう。
正しく雨合羽が着れていないと、どんなに性能の良い雨合羽でも雨が侵入してきてしまいます。
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正しく着れてる?絶対濡れない雨合羽の着方
梅雨の季節には傘やカッパが必須ですよね!でも正しい着方をしていないとカッパを着ていても濡れてしまいます。
バイクに乗る方もそうでない方もタメになる正しいカッパの着方をお教えします!続きを見る
耐水圧は通勤・通学などの近場なら10,000mm以上、ツーリングなど長距離では20,000mm以上あると望ましいです。
日頃から天気予報を見ておく
現在のスマホ天気予報アプリはめちゃくちゃ優秀で、1時間ごとの天気(降水量)から風速、気温さらには降雪量までも予報してくれます。
これを活用しない手は無くて、後述する「バイクに乗らない決断をする」ときに非常に役に立ってきます。
天気予報アプリはiOS,Android共に全ての機能を無料で使うことができる「Yahoo!天気予報」がオススメです。
乗らないのであればカバーをする
バイクに乗らない日は雨が降るまえにカバーをかけておきましょう。
カバーをかけておけば雨が降ったあとのメンテナンスをする手間が少なくなります。
万が一「カバーをかけ忘れてしまった!」「急に雨が降ってきた」となってしまっても心配する必要はありません。
雨が上がったあとに適切な対処ができれば大丈夫です。
雨が降った後にするべきことは後述で詳しく解説します。
ガレージがあれば雨による心配は全くありません!
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乗らない決断をする
ときにはバイクに乗るのをやめる決断をしましょう。
天候次第ではバイクを走らせることさえ困難なこともあります。
5年間、雨や台風、雪の中でも毎日バイクに乗ってきた私の経験から、バイクに乗らない方がいい度合いを示した表を作りました。
天気予報アプリなどを見ながら乗れるかどうか判断してみてください。
正直「ギリギリ乗れる」範囲でもバイクに乗るのはかなりシンドイです。
雨(降水量) | 風(風速) | 気温(摂氏) | |
ギリギリ乗れる | 30mm | 6m~7m | ~2℃ |
乗らないほうがいい | 35mm~40mm | 7m~ | -1℃~ |
絶対乗らないほうがいい | 40mm~ | 8m~ | -8℃~ |
※すべて一般道路での度合いです。
高速道路を走る場合は「ギリギリ乗れる」という天候の時点でハイドロポンプ現象や突風でバランスを崩すなどの危険が十分あるので、高速道路は避けた方がいいですね。
※気温は完全防寒(電熱ウェア+ワークマン防寒着)をした場合の気温です。
職場にガッチガチの防寒着を着ていくのはちょっと気が引けますので、自分が耐えられる範囲で調整しましょう。
雨の日の走行で注意すること
こちらも4つのポイントがあります。
- あらゆる所が滑りやすくなる
- 視界が悪くなる
- レイングローブの操作性の悪さ
- 体調を崩しやすい
あらゆる所が滑りやすくなる
雨が降ると路面のあらゆるところが滑りやすくなります。
代表的なのは「マンホール」「白線」「橋の接合部」「線路」ですね。
特に金属系のモノの上を曲がりながら通るのは危険です。(直進の場合は割と大丈夫なことが多いです)
雨天時の事故のほとんどがスリップ事故で、快晴時にくらべると雨天時毎時間あたりの事故件数は5倍にもなるそうです。
【マンホールのスリップ事故は誰の責任?】
東京では条例でマンホールが滑りにくいように努めなければいけないらしいのですが、
— きぴろのバイク日記 (@SanoMarket) March 11, 2020
「マンホールで滑ったから訴訟」
とか怖すぎ、、、
バイク乗りからしたら滑りにくいようにしてくれるのはすごい助かる????♂️
もっと優しい世界になって(白目) pic.twitter.com/L3MVd8LvsM
視界が悪くなる
「雨が降ると視界が悪くなる」というのは常識だとは思いますが。
特に注意したいのが雨の日の夜です。
ヘルメットのシールドが雨粒だらけで何も見えない.なぜ見えないかと言うと,雨粒に当たった光が乱反射してハレーションを起こすので,漏れ無く何もかも見えない状態になる.ハレーションとは,光の乱反射で手裏剣みたいなギラギラしたアレのことで,あれが雨粒ごとに発生してシールド全体を覆うので前車のブレーキランプしか頼りにならなくなる.
ハイビームにしていれば,標識とかは直前で視認できたけど,中央線とか停止線が見えないので,カーブとかは割りと命がけに近かった.
引用:ほんのり雨が降っているかもしれない夜にバイク乗ったらただの地獄だった
ヘルメットのシールドの雨粒に光があたって乱反射し
「ハレーション(写真で、光線が強すぎたために、被写体の周辺が白くぼやけて不鮮明になること。)」
を起こしてしまうのです。
↓ハレーションになったときのイメージ画像
こうなってしまうと視界が悪くなるどころではく、何も見えなくなってしまいます。
対策としてはシールドに撥水加工をしたり、走行中に定期的に雨を拭き取ることが有効です。
レイングローブの操作性の悪さ
雨の中を走行するとき濡れないためにレイングローブを装着するのですが、このレイングローブの操作性の悪さもある意味で危険だと思っています。
レイングローブは厚手のものが多く、いつもの感覚と大きな差異がありウィンカーやクラッチ操作をミスしてしまうことがあります。
体調を崩しやすい
「雨にうたれて風邪をひく」というのは科学的には全く根拠はないんだそうです。
しかし、雨とバイクの走行風で体が異常に冷えてしまい体調を崩すのは容易に想像できるはずです。
体が極度に冷えるとこんな症状を引き起こす可能性があります。
- 頭痛
- 肩こり
- 腰痛
- むくみ
- 不眠
- 便秘・下痢
- 食欲不振
上記の症状は夏でも雨の日のバイクなら簡単になってしまいます。(太字のものは特になりやすい)
体温が低くなると免疫力も低下しますので、結果的には風邪もひきやすくなるといったところでしょうか。
体調を崩す他に、雨にうたれて寒さで体の反応が鈍くなり、操作ミスをしていまい事故をしてしまう可能性も十分にありえます。
雨が降ったあとの対処
- 走行後はすぐにカバーをかけない
- 晴れたらカバーを外す
- チェーンオイルを刺す
- バイクを走らせる
走行後はすぐにカバーをかけない
雨の中をバイクで走った後はすぐにカバーをかけるのはやめましょう。
走行後にすぐカバーをかけてしまうと、バイクの熱でカバー内の湿度が高くなります。
湿度が高くなると金属は腐食(サビ)しやすくなります。
下図データは、金属上の吸着水量および金属の腐食速度と相対湿度の関係を表したものです。
相対湿度65%以上になると水の吸着量が急激に増加し、この領域以上で腐食速度も急速に増加していることがわかります。引用:湿度と腐食速度の関係
金属ほどではありませんが、シールやホースなどゴム類の劣化も早くなります。
晴れたらカバーを外す
雨が降るまえにバイクカバーをかけていても、雨があがって晴れたらバイクカバーは外しましょう。
カバー内はどうしても湿度が高くなってしまうので、外して乾かしてあげる必要があります。
特に土や砂利などの上でバイクを保管している場合、土に含んだ水分が水蒸気としてカバー内に溜まっていき湿度が上昇しやすいです。
可能であればコンクリートなど水はけのよい地面にバイクを移動させることが最善ですが、
カバーを外してきちんと乾かしてあげればそこまで神経質になる必要はありません。
チェーンオイルを刺す
雨が降ると1番影響を受けやすいのが「チェーン」です。
チェーンに使われるオイルは粘度が低く、雨で簡単に流されてしまうというのは有名な話ですよね。
雨が降った後はチェーンオイルを刺すべきというのが一般論ではありますが、私は少し走ってからオイルを刺すのをオススメしています。
なぜなら、雨があがって数日たってもチェーンについた水は蒸発していないことも多々あり、その状態でオイルを刺してもまたすぐ流されてしまいます。
なので、少し走ってチェーンの水を飛ばしてからオイルを刺す方が効果的なのではないかと考えています。
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バイクを走らせる
ここまでで水や湿度がバイクにダメージを与えることを説明してきましたが、
最も手軽で確実に水分を飛ばす方法があります。
それが、晴れたらバイクを走らせることです。
バイクを動かすことでエンジンの熱で蒸発させたり、走行風で水を飛ばしてしまおうという発想です。
バイクを雨ざらしにしするとどうなる?
バイクを雨ざらしにしてもすぐにサビたりはしませんが雨ざらしにすると劣化が早いものは以下の通りです。
- チェーンオイルが流れてチェーンが錆びる
- シートの劣化が早くなり、シートにヒビが入りやすくなる
- 電気系統の接触不良になりやすくなる
特にチェーンは1日〜2日でサビてしまうことがあるので要注意です。
バイクカバーは1,000円〜3,000円と安く購入できますので、1つ持っておくと安心ですね!
まとめ
いかがでしたでしょうか!これまでのポイントをもう一度おさらいしましょう。
雨が降るまえの対処
- バイク用の雨具を用意する
- 日頃から天気予報を見ておく
- 乗らないのであればカバーをかける
- 乗らない決断をする
雨の日の走行で注意すべきこと
- 路面が滑りやすくなる
- 視界が悪くなる
- 風邪をひきやすい
- レイングローブの操作性が悪い
雨が降ったあとの対処
- 走行後はすぐにカバーをかけない
- 晴れたらカバーを外す
- チェーンオイルを刺す
- バイクを走らせる