高校生のバイク乗りにとって、高校生活でバイクを乗ることができないのは、とてもつらいものですよね。
しかし、多くの高校では、校則でバイクの持ち込みが禁止されることが多いです。
私自身も高校生の頃、バイクに乗りたいと思いながらも、校則で禁止されていたため、その夢を叶えることができませんでした。
では、なぜ高校生はバイクに乗ることを禁止されているのでしょうか?
その理由や経緯について、私が調べたことをまとめてみました。
目次
法律では16歳からバイクは乗れる
法律では大型二輪を除けば16歳から二輪免許の取得が可能です。
しかし、ほとんどの高校ではバイクに乗ることを校則で禁止されています。
どうして高校生はバイクを禁止されているのか
一般的に、高校生がバイクに乗ることを禁止される理由としては、安全面やマナー面、学校のイメージなどが挙げられます。
特に、交通事故による死傷者が多く出ていることが最も大きな理由のひとつです。また、高校生は未熟なドライバーが多いため、事故リスクが高いことも要因のひとつです。
安全面以外にも、マナー面でも問題が起きています。
高校生がバイクで登校すると、騒音や排気ガスの問題が生じることがあります。
また、バイクで登校する生徒が多くなると、駐車場のスペース不足によって、他の生徒の駐車場が確保できなくなる場合もあります。
さらに、学校のイメージにも影響があります。
高校生がバイクで登校すると、その学校のイメージが悪くなることがあります。
高校生は社会人になる前の段階であり、学校が社会に与える影響は大きいため、学校側としてはイメージに配慮する必要があります。
以上が建前上の理由です。
ここからはバイクが禁止されてきた歴史について解説します。
バイクの「三ない運動」
バイクは、高速道路などでの事故が多発する危険な乗り物であるため、高校生には禁止されていることが多く、1970年代後半には「三ない運動」というバイクを避けるための運動が始まりました。
この運動では、「高校生は免許を取らない、バイクに乗らない、バイクを買わない」という方針が掲げられ、高校生たちはバイクから遠ざけられることとなりました。
その後も、バイク事故が多発しているため、高校生には制限が課せられており、一部の自治体では、「バイクに乗れる年齢」「バイクの排気量の制限」などが設けられています。
これらの制限は、高校生の安全を守るために必要なものであり、バイクに興味がある場合でも、安全に乗ることができるようになっています。
一人歩きしてしまったバイクの印象
かつての三ない運動によって広まった「バイクは危ない」「バイクは不良の乗り物」といった偏見によるものです。
この運動がきっかけとなり、バイクに対する印象が一人歩きしてしまい、今でもこのような印象が定着しているのです。
もちろん、バイクによる交通事故が増えたことや、そのイメージがあったことも確かです。
しかし、バイクがなぜ危険なのか、不良の乗り物と言われるのか、それは一部の人たちが問題行動をとったことによって広まったものであり、一般的なバイク乗りがそうであるわけではありません。
バイクには、車にはない魅力があります。
風を感じながら走る爽快感、スピード感、自由な感覚など、多くの人々がその魅力に惹かれてバイクに乗るようになりました。
しかし、多くの人たちがバイクに乗る前に、まずは免許を取得しています。
免許を取得するためには、厳しい試験を受け、安全運転について学ぶ必要があります。
そのため、バイクに乗っている人たちは、安全運転を心がけ、周囲の人々の安全に配慮することが求められます。
バイクに対する偏見を払拭するためには、まずは正しい知識を身につけることが大切です。
バイクがなぜ危険なのか、どのような注意点があるのか、免許取得者からのアドバイスを聞くことで、より正確な情報を得ることができます。
そして、自分でバイクに乗ってみることで、その魅力や危険性を理解することができます。
ただし、バイクの免許を持っていない人から説教されても、説得力はありません。
免許を持っている人たちが、安全運転を心がけ、周囲の人々と共に、バイクのイメージを払拭しましょう。
バイクに乗らせないためのいい文句
高校生がなぜバイクを禁止されるのか、その理由には様々な要因がありますが、保護者や先生は主に「危険だから」という理由でバイクに乗らせないようになるべく同じことを言います。
しかし、バイクに乗らない本人たちは、その理由を理解しているのでしょうか?
バイクは危ない
たしかにバイクは危険な乗り物ですが、バイク事故のリスクを示すだけで、どのように危険なのかを十分に教えてくれないことがほとんどですよね。
私が中学校を卒業したとき、先生から「バイクには絶対に乗らないでください。私は原付に乗って怪我をして、大変な思いをしました。その時の傷がまだ残っています。」と言われ、怖くなりました。
しかし、今よく考えてみると、その怪我は「プロテクターをつけていれば防げた怪我ではないか?」というものでした。
バイクに乗らない人がバイクの危険性について語るとき、プロテクターの有無を全く考慮していないのです。
本来ならば、バイク事故について、プロテクターをしていない場合と、プロテクターをしている場合の両方について説明しなければなりません。
バイクは不良の乗り物
バイク乗りの中には治安が悪い人が多いという事実がありますが、それは趣味性が強い乗り物だからです。
一生のうち一度もバイクに乗らなくても、何の不自由もなく生活することは可能です。
そのため、市販のバイクには趣味性が高いマニュアル車が多く、カスタムにも豊富な選択肢があります。
しかし、バイクには実用性も十分にあります。
特にビッグスクーターや原付は維持費が安く、手軽に乗ることができるため、通勤や通学に非常に便利です。
維持費や利便性の高いバイクは、学生にとって強い味方となるでしょう。
かつては「鳴るバイク」が流行った時代もありましたが、現在では静かなバイクの方が圧倒的に人気があります。
高校生活にバイクは不要
先ほど述べたように、一生のうち一度もバイクに乗らなくても不自由に暮らすことはできます。
しかし、「人生の長いうちの高校生活くらいは乗れなくてもいいだろう」という大人の勝手な思い込みが高校生の視野を狭めてしまっています。
例えば、片道5kmの通学であれば自転車でも足りますが、原付での通学にしてみるとどうでしょうか。
自転車では登校や下校に体力を使ってしまい、授業に集中できなかったり帰宅後すぐに寝てしまうこともあるでしょうが、原付では自転車ほどの体力を消耗しないのでこれを解消することができます。
たくさんある中のほんのひとつだけ例を挙げましたが、「バイクに乗ることで確実に高校生活は充実します」
高校生の交通社会デビューの支援がされている方向になってきている
今でも多くの学校で高校生のバイク使用が禁止されていますが、最近では少しずつ高校生の交通社会デビューを支援する方向に向かっています。
例えば、2014年に群馬県の「群馬県交通安全条例」では、以下のような取り組みを求めています。
運転免許の取得は、関係する交通法規等を学ぶ機会でもあることから、法律で定められた取得可能な年齢に達した者にあっては、本人及びその保護者の希望により取得できるようにすること。
つまり、学校側で免許取得の制限をすることが禁止されています。
過疎地域では最寄り駅が遠かったり、電車やバスの本数が少なく、いわゆる「交通難民」にとって自動車を使わないように言うことは酷なことです。
そのような背景から、「通学困難な学生は原付可」という高校は増えています。
しかし、バイク使用が可能な学校は少数なのはこれからも続くでしょう。