今のバイクは様々な装備が電子制御になってきて、次は何が電子制御になるのかワクワクしますよね。
ステアバイワイヤになるとどうなるのか、ステアバイワイヤのメリットを具体的な情報を見ながら解説していきます!
ステアバイワイヤになるとどうなる?
ステアバイワイヤ
ステアとハンドル部分が分離されライダーからの操作入力を数値化。その数値をもとにコンピュータで解析し、機械的にステアの制御を行う機構です。
世間的にいう「ハンドルを切る」動作をコンピュータが行います。
ステアバイワイヤの研究結果
バイクがステアバイワイヤにすると大きく2つのメリットがあります。
- 操作性の向上、改善
- 直立安定性の向上
2006年に発行された日本機械学会論文集 C編の「ステアバイワイヤによる二輪車の操縦安定性向上に関する研究」で得られた結果を引用します。
1.操縦が比較的難 しい二輪車の操縦性を向上させる手法として,ステアバイワイヤによる新しい操縦制御系を提案した.
2.二 自由度制御系により,ライダからの指令値 を目標ロール角に追従させる操縦系が実現できることをシミュレーションにより確認した.
3.フィー ドバック部に現代制御理論を適用することで,良好な制卸効果が期待できることを確認した.
4.提案したステアバイワイヤニ輪車は,ライダの意志による操縦性を改善するのみでなく,ライダからの入力がない場合の直立安定性も実現可能である。
この研究で私たちバイク乗りに重要なのは4つ目の結果です。
「ライダからの入力がない場合の直立安定性も実現可能である」
これがどういうことかというと超低速走行時や停車時にバイクが転びにくくなることを意味しています。
自立するバイク
ステアバイワイヤを使った試作機で、ホンダが自立するバイクを作っています。
ホンダはバイクの重心を低くし、ステアをコンピューターで制御して自立するHonda Riding Assistを実現しています。
ちなみにヤマハの自立するバイク「MOTOROiD」はステアバイワイヤに加え、バッテリーとリアアームを左右に50度回転させるAMCESという機構を使い自立しています。
このようにステアバイワイヤは自動運転で重要な役割を持っている部分です。
ステアバイワイヤのメリット
では私たち一般人がステアバイワイヤを搭載するバイクに乗るメリットは何があるでしょうか。
・立ちゴケしにくくなる
多分これぐらいしかないでしょうね。
走行中のバイクはハンドルを切って曲がるのではなく、車体を傾けて曲がるのでステアバイワイヤから受けられる恩恵はほとんどないと思います。
ですが、ステアバイワイヤは特定の人たちにはかなり需要があります。
それは身体的短所を持っている人たちです。
例えば私のように「身長が低い」「体重が軽い」「体力がない」という特徴はバイクを動かすにあたって何の長所になりません。
教習所や試験で「バイクを起こす」「低速走行」ができなければ免許はもらえないので、あまり気にされなかったのではないかなと思います。
大きな事故も怖いですが、足が届かない私にとって立ちゴケも結構怖いんですよね。
なのでこの機能が実現してくれれば「もっと大きなバイクに乗りたいな」と気軽に思うことができるんですけどね。
デメリット
電子制御化することによるデメリットはいつも同じようなものです。
- ハンドルとステアが分離されるので、パーツが多くなり重量が増す
- 故障頻度が高くなる
- 壊れたら曲がることもできない
- コストがかかる
また環境性能に直接影響するわけではないので、バイク開発側が積極的に取り入れる必要もないんですよね。
つまり、なくても困らないということです。
いわゆるアフリカツインやBMWの電子制御サスペンションのようなユーザーエクスペリエンス(快適性)のひとつと考える方がいいでしょう。
電子制御ステアが装備されたバイクはいつでる?
私が知る限りでは市販されているバイクでステアバイワイヤが導入されているバイクは見たことがありません。
もちろん、これから出るとされているバイクにも搭載の予定はまだありません。
実は車でもステアバイワイヤが搭載されているのは、2014年の日産スカイライン「200GT-tのオプション装備」が唯一とされています。
2012年に日産がステアバイワイヤに可能性があると示唆し、2014年にオプション装備として、そして2019年には新型スカイラインには標準装備にすると発表しました。
7年ほどで実用段階に行くということは、バイク業界で言えば2024年〜2025年ごろになるのではないでしょうか。(予想です)
まとめ
いかがでしたでしょうか。自立するバイクは近未来っぽくて欲しくなっちゃいますね。
自立までいかなくても、コケにくいバイクは低身長の私にとっては魅力的に見えます。
近未来っぽいといえばホンダのコンセプトバイクCB4Xというものがありますよ!
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